柔道整復学理論
-国家試験対策-
脊椎・骨折
-胸椎および腰椎骨折
分類・上部胸椎棘突起骨折
圧迫骨折・下位腰椎圧迫骨折
チャンス骨折(Chance fracture)
椎体破裂骨折・腰椎肋骨突起(横突起)骨折-

脊椎・骨折

分類

◇胸椎および腰椎骨折

分類

〇胸椎および腰椎骨折

上部胸椎棘突起骨折 自家筋力による疲労骨折
圧迫骨折

〇楔状圧迫骨折

 ・椎体前部のみ損傷、神経損傷少ない

〇椎体破裂骨折

 ・椎体の広い範囲が圧潰、神経損傷多い

〇下位腰椎椎体圧迫骨折

 ・発生頻度は胸腰椎移行部より少ない
チャンス(Chance)骨折 シートベルト損傷
腰椎肋骨突起(横突起)骨折 直達外力および腸腰筋の牽引力により発症

 

脊椎・骨折

上部胸椎棘突起骨折

〇胸椎および腰椎骨折

原因・症状・治療および予後

〇上部胸椎棘突起骨折

原因 〇第6・7頚椎棘突起骨折同様、ゴルフスイング、土木作業(スコップ作業)などによる疲労骨折が原因となる場合が多い
症状

〇胸椎棘突起部の圧痛および叩打痛。

〇上肢運動により甲骨が動くと疼痛が誘発される
治療および予後

〇3週間程度の安静

〇一般に予後は良好である。

 

脊椎・骨折

圧迫骨折

〇胸椎椎体圧迫骨折

原因・症状・治療および予後

〇胸椎椎体圧迫骨折

原因

〇高所からの転落などにより、長軸方向への突き上げが働くと、胸椎の後弯が強制され、椎体前部が圧潰し楔状に変形する(楔状圧迫骨折)

〇高齢者などの骨粗しょう症を有する患者では、咳、くしゃみが原因で圧迫骨折を生じる場合がある。

第6-8胸椎好発する。
症状

〇後弯が強くなり、円背、凸背となる。

圧痛や叩打痛がみられる。
治療および予後

脊髄損傷など重篤な合併症を有さないものは、予後良好

〇ベッド安静

〇ギプス包帯固定後に軟性コルセット装着

 

2021091001

脊椎・骨折

圧迫骨折

〇胸腰椎移行部圧迫骨折

原因・症状・治療および予後

〇胸腰椎移行部圧迫骨折

原因

〇胸腰移行部は、椎体の圧迫骨折最も生じやすい部分である

〇胸椎圧迫骨折同様、高所からの転落などにより、長軸方向への突き上げが働くと、胸椎の後弯が強制され、椎体前部が圧潰し楔状に変形する
脊柱屈曲位で尻もちをついた際など…

脊髄損傷、神経根症状の合併は少ない
症状

〇後弯が強くなり、円背、凸背となる。

〇圧痛や叩打痛がみられる(腰椎棘突起に著名な叩打痛)

Th11-L3

治療および予後

脊髄損傷など重篤な合併症を有さないものは、予後良好

ベーラー法(腹臥位の反張位)

〇反張背臥位法

〇背臥位吊り上げ法

〇ギプス包帯固定法(固定期間は通常3ヶ月+運動療法)

〇べーラー体操

 

2021091002

整復法

〇胸腰椎移行部圧迫骨折

整復法 ①ベーラー法 ②反張背臥位法 ③背臥位吊り上げ法

 

2021091003

脊椎・骨折

圧迫骨折

〇下位腰椎圧迫骨折

 

原因・治療・および予後

〇下位腰椎圧迫骨折

原因

〇下位腰椎は、椎体が大きく強固で、腰椎前弯により長軸圧が開放されやすいため、胸腰椎移行部の椎体圧迫骨折よりも発生頻度が少ない

〇ほかの圧迫骨折同様、高所からの転落などにより、長軸方向への突き上げ力が働いて骨折を呈する。

脊髄損傷の合併はない
症状

〇後弯が強くなり、円背、凸背となる。

〇圧痛や叩打痛がみられる。
腰椎棘突起に著名な叩打痛

治療および予後

〇胸腰椎移行部圧迫骨折と同様

〇踵骨骨折

〇大腿骨頚部骨折

 

脊椎・骨折

チャンス骨折(Chance fracture)

原因

〇チャンス骨折

原因 チャンス骨折は、車に乗車中、2点式シートベルトを着用した状態で、交通事故(衝突事故)を起こし、シートベルトと同高位の脊柱に強い屈曲力、椎体前部への圧迫力、脊柱後方部分への牽引力が同時に加わり、椎体、椎弓根、椎弓に水平方向の骨折線が走行するものである

 

2021091004

症状

〇チャンス骨折

症状

圧痛や叩打痛がみられる

〇シートベルトの圧痕が生じる

脊髄損傷の合併は少ないが、腹腔内臓器損傷を合併することがあるため十分に注意が必要である。

 

2021091005

脊椎・骨折

椎体破裂骨折

原因・好発部位・症状

〇椎体破裂骨折

原因 脊柱に軸圧が働き椎体全体が圧迫され、椎間板が椎体内に嵌入、椎体内の圧力上昇によって破裂する骨折
好発部位 胸腰椎移行部から腰椎部
症状

〇椎体の圧潰

〇椎体の後縁骨片が脊柱管内に突入
脊髄・馬尾損傷を高頻度に合併

 

2021091006

脊椎・骨折

腰椎肋骨突起(横突起)骨折

原因・症状・合併

〇腰椎肋骨突起(横突起)骨折

原因

〇直達外力

〇横突起に付着する腸腰筋の牽引力が原因となり骨折を起こす
症状

〇限局性圧痛や腫脹がみられる

〇腸腰筋が付着するため股関節の運動制限がみられる。

〇運側方向に体幹を側屈すると横突起が牽引され疼痛が増強する
合併症 腎損傷をきたす場合がある

 

2021091007

参考・引用

文献・書籍

柔道整復学理論編改定第6版

②プロメテウス解剖学アトラス第2版解剖学総論/運動器

③標準整形外科学第13版

柔道整復師 イエロー・ノート 臨床編

⑤実践柔道整復学シリーズ 柔道整復学総論

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