柔道整復学理論
-国家試験対策-
総論
-骨の損傷6(骨折)-

骨折の合併症

ことばの説明

広義の合併症

骨折と同時に発生したり、骨折の治療経過中に発生したりするもので、治療の結果である予後に影響を与えるものなどを指す。
併発症(狭義の合併症)

骨折同時に発生したもの

続発症 骨折後に発生したもの
後遺症 骨折が原因で永続的に残る障害

 

骨折の合併症

併発症

関節損傷

関節構成組織(靭帯、関節軟骨、関節包、関節唇、滑液包)の損傷

軟部組織損傷

〇筋、腱、皮膚などの損傷

〇皮膚が損傷されると開放性骨損傷となり、細菌感染の恐れがある。

〇重篤な筋挫滅を伴う外傷では、急性腎不全が発生することがある。

〇クラッシュシンドローム

筋の損傷により、血中にミオグロビン、カリウムが漏出。

ミオグロビン尿⇒腎尿細管でつまり腎不全にいたる。

カリウム血症⇒不整脈

 

内臓損傷

鎖骨損傷 肺の損傷
肋骨損傷 肺・肝臓・脾臓・腎臓の損傷
骨盤骨損傷 尿道・膀胱・直腸壁の損傷

例…

右肋骨弓骨折⇒肝臓破裂

多発性肋骨骨折⇒奇異呼吸(フレイルチェスト:動揺胸郭)

多発肋骨骨折がおこると,正常な胸壁運動が障害される。2本以上の連続する肋骨(または肋軟骨)が2箇所以上で骨折すると,

その部分の胸郭は不安定となり,自発呼吸では吸気時に支持性を失った部分(flail segment)が陥凹し,

呼気時に突出する奇異呼吸を呈する。これをフレイルチェストという。

 

①鎖骨損傷→肺の損傷

20210822001

②肋骨損傷→肺・肝臓・脾臓・腎臓の損傷

20210822002

④、⑤骨盤骨損傷⇒尿道・膀胱・直腸壁の損傷

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脊髄損傷

脳/顔面頭蓋の骨損傷⇒脳の損傷

脊椎の骨損傷⇒脊髄損傷

血管損傷

〇血管の圧迫、挫滅、断裂

〇四肢末端の循環障害、骨片の無腐性壊死、阻血性拘縮

急性阻血症状

〇5P’s=疼痛、蒼白、感(知)覚異常、脈拍消失、(運動)麻痺

急性阻血の5P's

◇疼痛 Pain

20210822004

◇顔面蒼白 Pallor

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◇拍動消失 Pulse lessness

20210822006

◇感(知)覚異常 Paresthesia

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◇麻痺(運動麻痺) Paralysis

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〇語呂

①相当、うんちく吐く=そ⇒顔面蒼白、と⇒疼痛、う⇒(運動)麻痺、ち⇒知覚異常、は⇒拍動消失

②そとは町=そ⇒顔面蒼白、と⇒疼痛、は⇒拍動消失、ま⇒麻痺、ち⇒知覚異常

末梢神経損傷

神経の圧迫、挫滅、断裂

橈骨、尺骨、正中、腓骨神経損傷

骨折の合併症

続発症

外傷性皮下気腫

肋骨骨折などの際に、空気が肺から皮下組織に侵入したもの

びまん性、扁平で柔らかく弾力性あり、触診で握雪(捻髪)音を認める

脂肪塞栓症候群

骨髄脂肪の小滴が栓子し、血管・毛細血管を閉塞する

大腿骨骨盤骨損傷、多発骨折などの受傷後1~3日間に起こる

点状出血がみられる

◇発症部位や程度によっては予後不良(死の転帰)

 

塞栓の種類と

主な症状

塞栓 呼吸困難、チアノーゼ
塞栓 心悸亢進、血圧下降
塞栓

頭痛、不安感、意識障害

嘔吐、痙攣

 

20210822009

仮骨の軟化および再骨折

伝染病・壊血病蜂窩織炎丹毒などで、仮骨が特発的に軟化吸収され、骨損傷部に再び異常可動性を起こすことがある。

20210822010

遷延治癒

〇仮骨形成が期待されている日数を経過してもみられないもの

〇骨癒合の阻害因子の改善と日数の経過により骨癒合は期待できる

コンパートメント症候群 (区画症候群)

〇骨、筋、血管損傷などにより区画内の組織内圧が上昇し、組織の循環不全が生じる。

筋・神経組織の機能障害をもたらす

〇主症状:疼痛、感覚異常、蒼白、脈拍減弱など

急性期に速やかに固定の除去をし、筋・神経組織の壊死を防止する

-例

フォルクマン拘縮(後遺症参照)

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長期臥床

長期臥床による合併症は年齢や既往症との関係もある。

沈下性肺炎褥瘡(じょくそう)、深部静脈血栓症筋萎縮、尿路感染、認知症

ワンポイント!!

好発部位

外傷性皮下気腫 肋骨骨折
脂肪塞栓症候群 大腿骨骨折、骨盤骨損傷、多発骨折
コンパートメント症候群 前腕屈側部、下腿部

 

骨折の合併症

後遺症

過剰仮骨形成

仮骨が過剰に形成され、その吸収がすくないか全くない場合をいう

〇関節付近の骨折好発

〇2骨間の架橋仮骨(橋状仮骨)は癒着すると回旋運動制限を起こす。

◇その他の症状

関節運動障害・神経損傷・循環障害

◇発生原因

粉砕骨折・大血腫・骨膜の広範な剥離

早期かつ、過剰に行われた後療法

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偽関節

骨折部の骨癒合が完全に停止

〇6ヶ月以上経過しても異常可動性が明らかに認められる

観血療法の適応

骨折端部の間隙は瘢痕組織(線維組織や軟骨組織)

◇偽関節の発生原因

局所的原因

全身的原因 治療的原因

局所に作用する

癒合症害

(剪断力・屈曲力・

牽引力・回旋力)

内分泌の異常 不良な整復状態
血行不良部位 栄養障害 不良な固定状態
骨の欠損(粉砕骨折)   短すぎる固定期間
血腫の分散・流出   不適な後療法

軟部組織の介在

(骨折端間)

  過度な牽引療法

 

変形治癒

〇骨損傷端が転位を残したまま骨癒合した状態(⇒機能障害、醜形)

〇原因⇒不正確な整復や固定、整復位が正しく保持されない場合

骨委縮

〇骨組織が次第にその面積を縮小し、その機能が低下していく状態

〇骨の添加機能が停止し、吸収作用が行われる場合に発生する。

〇後療法経過とともに改善する。

◇ズデック骨委縮

ズデック

(Sudeck)

骨萎縮

交感神経障害である
有痛性の骨萎縮で、急性反射性骨萎縮と呼ばれる
X線像で急速に骨萎縮が出現する。
四肢末梢部でおこりやすい。(Colles骨折,踵骨骨折)

 

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阻血性骨壊死(無腐性骨壊死)

骨折による血管損傷が起こると、血行が遮断された骨片は壊死する。

骨折により供給血管損傷⇒骨への血行が遮断⇒骨片の壊死

20210822014

関節運動障害

長期の固定、関節内骨折などにより関節の可動域制限が起こる

関節強直

関節の構成体(骨や軟骨)に原因
関節拘縮 軟部組織(関節包、靭帯、筋、皮膚)に原因

 

外傷性骨化性筋炎

〇筋組織の骨化現象。

〇外傷に際し筋組織内や骨膜外などに貯留した血液が血腫を形成、これが吸収されず器質化して異所骨を形成する。

〇関節運動を制限している場合は手術的に除去

〇初期症状、腫脹、疼痛、熱感、機能障害

〇上腕部、大腿部の各筋に発生

20210822015

フォルクマン拘縮 (阻血性拘縮)

記号 名称
尺側手根屈筋
長掌筋
𣓤側手根屈筋
長母指屈筋
円回内筋

 

20210822016

〇受傷後24時間以内に始まる
(急速な退行性変性)

〇外傷による前腕屈筋群の阻血性循環障害

〇一夜にして現れ、一生治らない

 

◇原因

骨片転位の未整復、過度の腫脹

固定包帯の過度緊縛

好発

小児の上腕骨顆上骨折

20210822017

参考・引用

文献・書籍

柔道整復学理論編改定第6版

②プロメテウス解剖学アトラス第2版解剖学総論/運動器

③標準整形外科学第13版

柔道整復師 イエロー・ノート 臨床編

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