柔道整復学理論
-国家試験対策-
総論
-骨の損傷5(骨折)-

骨折の症状

骨折時の局所症状

骨折したときの症状やその他のケガの時に共通する症状を纏めます。

 

一般外傷症状

固有症状
言葉の意味

この症状だけでは

骨折判断できない

骨折時出現する特有な

症状

 

20210821000

一般外傷症状

 

疼痛 自発痛 骨折部を安静にする事で減少。主に骨膜からの痛み。

直達性局所痛

(局限性圧痛)

骨折時の局限した強い圧痛をマルゲーニュMalgaigneの圧痛点マルゲーニュ骨折という。
介達痛 骨折部から離れた部位に刺激を加えた際に生じる疼痛
軸圧痛 骨折している骨の長軸方向に圧を加えた際に生じる骨折部の疼痛
叩打痛 骨折している部位から離れた部位を叩打した際に生じる骨折部の疼痛
圧迫痛 肋骨骨折が側胸部に生じた場合、胸郭を前後から圧迫すると骨折部に生じる疼痛。
牽引痛

骨折部を骨の長軸方向に引き離すよう牽引した際に生じる疼痛

動揺痛

骨折部を同様した際に生じる疼痛
腫脹 骨折部に熱感を伴い生じる
骨折血腫 骨髄骨質骨膜、周囲軟部組織の出血による。
関節血腫 骨折が関節内に及ぶことにより発生

機能障害

骨折部の疼痛、動揺、荷重痛により骨が支持器官としての機能を失う

長骨の完全骨折で著明に出現する。

 

一般外傷症状-疼痛-

◇自発痛

20210821001

◇直達性局所痛=限局性圧痛

20210821002

一般外傷症状-介達痛-

◇軸圧痛

20210821003

◇叩打痛

20210821004

◇圧迫痛

20210821005

◇牽引痛

20210821006

◇動揺痛

20210821007

一般外傷症状-腫脹-

骨折血腫

20210821008

◇関節血腫

20210821009

一般外傷症状-機能障害-

20210821010

骨折の固有症状

骨折時にみられる特有の症状

異常可動性 正常では動かない部分が骨折により動き が出現する
長骨の完全骨折で著明に出現する。
軋轢音 異常可動性がみられる骨折端部が互いに触れて生じる音
骨折によって明確に触知できるものから、触知しづらいものがある。
転位と変形

骨折によって骨片の位置が外力や筋の作用により変化することを転位という。これにより外観が変形する

分類 発生機序による分類
形状による分類

 

骨折の固有症状-異常可動性-

正常では動かない部分が骨折により動きが出現する。

長骨の完全骨折で著明に出現する。

◇通常

20210821000

◇異常

20210821001

骨折の固有症状 -異常可動性が証明しにくい骨折-

不全骨折

亀裂骨折,若木骨折

陥凹骨折,竹節状骨折

骨膜骨折

 

20210821002

圧迫骨折

骨折断端が押しつぶされているため動きにくい

 

20210821003

噛合(ごうごう)骨折

骨折断端が噛み合っているので動きにくい

 

20210821004

関節付近での骨折

関節運動と異常可動性の判別がしにくい

 

20210821005

骨折の固有症状-軋轢音-

異常可動性がみられる骨折端部が互いに触れて生じる音

骨折によって明確に触知できるものから、触知しづらいものがある。

20210821006

骨折の固有症状 -軋轢音を証明しにくい骨折-

a,異常可動性の存在しない骨折

不全骨折,噛合(ごうごう)骨折,圧迫骨折など…

 

20210821007

b,骨折端が離開している骨折の場合

裂離骨折や延長転位のある骨折では骨折端が触れ合わないので軋轢音が生じない

 

20210821008

c,骨折端間に軟部組織が介在する場合

異常可動性が存在して、軋轢音を証明できない場合は、軟部組織の介在を考える。骨折端間への軟部組織の介入は骨癒合の障害となるので臨床上きわめて重要

 

20210821009

骨折の固有症状 -転位と変形-

発生機序による分類 

二次性転位

(一次性転位の後に加わる力によってさらに骨折端を移動させたもの)

外力

筋の牽引力 患肢の重量

患者搬送時

包帯・外固定交換時の骨折部への外力

骨片に付着する筋が作用 患肢の重みが骨片に作用

 

〇外力

20210821011

〇筋の牽引力

20210821012

患肢の重量

20210821013

骨折の固有症状 -転位と変形-

◇形状による分類

側方転位

一方の骨片が骨長軸上より側方に移動したもの

横転位

 

20210821014

屈曲転位

一方の骨片が骨長軸上で一定の角度をもって移動したもの

軸転位

 

20210821015

捻転転位

骨が長軸上で一定の回旋を生じたもの

回旋転位

回転転位

 

20210821016

延長転位

骨折端が骨長軸で離開し骨の長さが増加するもの

縦転位

 

20210821017

短縮転位

骨折端が骨長軸上で短縮して、骨の長さが減少するもの

縦転位

 

20210821018

ほとんどの骨片転位はこれらの要素が組み合わさって現れる!

20210821019

骨折時の全身症状

ケガの影響で、血液を大量に出血することで、全身に現れる症状を説明します。

◇ショック・発熱

 

ショック

(外傷性ショック)

急性循環不全による末梢循環不全により組織が、低酸素状態に陥り、組織・細胞が恒常性を維持できなくなった状態

(全身の血液循環が片寄った状態になるために発生する)

 

20210821020

発熱

(吸収熱)

骨折数時間後に37℃-38℃の発熱が起こる。(数日で平熱に戻る)

骨折血腫やその他の組織分解物の吸収のために発生する。

 

20210821021

骨折の全身症状 -ショックの症状(ショックの5P)-

顔面蒼白

Pallor

20210821022

虚脱

Prostration

体力が極端に失われる。

20210821023

冷汗

Perspiration

 

20210821024

脈拍触知不可

Pulse lessness

 

20210821025

呼吸不全

Pulmonary deficiency

呼吸機能低下。酸素を全身におくれなくなった状態

20210821026

※語呂

①これが、興味(きょうみ)=こ⇒呼吸不全、れ⇒冷汗、が⇒顔面蒼白、き⇒虚脱、み⇒脈拍触知不可

②それが、君子=そ⇒顔面蒼白、れ⇒冷汗、き⇒虚脱、み⇒脈拍触知不可、こ⇒呼吸不全

参考・引用

文献・書籍

柔道整復学理論編改定第6版

②プロメテウス解剖学アトラス第2版解剖学総論/運動器

③標準整形外科学第13版

柔道整復師 イエロー・ノート 臨床編

お気軽にお電話でご連絡ください
092-588-7850 092-588-7850
受付時間:10:00~20:00
        12:00~20:00(水曜日)
       (新患受付19:30まで)
        木曜日・土曜日13:00まで
      休み:日曜日・祝祭日
Access

施術院まで最寄り駅から歩いて4分の立地にて20時までの営業で残業上がりの方も安心

概要

店舗名 しし接骨院・ししフィット
住所 福岡福岡市博多区元町2-1-1 ガーデンライフ南福岡105
電話番号 092-588-7850
営業時間 10:00~15:00 15:00~20:00

■月・火・金曜日は10:00~20:00
■水曜日は12:00~20:00
■土・日曜日は10:00~15:00
定休日 ■木曜日
■祝祭日は不定休
※院内掲示およびウェブ・SNS等でご案内します。
最寄り 福岡駅より徒歩で約4分
雑餉隈駅より徒歩で約7分
駐車場 近隣の有料駐車場(コインパーキング)をご利用下さい。
後日または当日に領収書を提出頂ければ最大¥200/1日をお支払いたします。
ご不明な点はスタッフへお声かけ頂ければ幸いです。

アクセス

施術院までの通院のしやすさが、長期的に通院して怪我の再発の心配がない未来に到達するために大切な要項の一つです。特に足にお怪我を抱えた方などは、歩くこともお辛いことが想定されるため、そのご負担軽減を目指して駅近の立地をお選びいたしました。
Contact

お問い合わせ

RELATED

関連記事