柔道整復学理論
-国家試験対策-
総論
-関節の損傷2(捻挫脱臼)-

関節損傷の概説

関節損傷に加わる力

急性

瞬発的な力によって発生

正常の可動域を超えた関節運動を強制されたときに発生
亜急性

正常な関節に対し、軽微な外力が繰り返し作用し関節を構成する組織に損傷が発生する

症状は急激に現れる場合と、徐々に現れる場合がある。

※労働やスポーツなど反復して行うことにより発生する

 

関節損傷の分類

関節の性状による分類

外傷性関節損傷

正常な関節に外力が作用して発生

急性の損傷と亜急性の損傷に大別

 

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その他の関節損傷

関節が何らかの要因により脆弱(ぜいじゃく)になっている際に、軽微な外力、外力として認知できない程度で損傷が発生するものをいう

外傷性関節損傷と同様に急性あるいは亜急性により発生

 

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関節損傷の分類

関節損傷部と交通の有無による分類

閉鎖性関節損傷

(単純関節損傷,

皮下関節損傷)

創部(外界)と関節損傷部との交通のないもの

開放性関節損傷

(複雑関節損傷)

創部(外界)と関節損傷部との交通のあるもの

 

関節損傷の分類

外力の働いた部位による分類

直達外力による損傷 関節またはそのほかの関節周辺組織に直接外力が作用する打撲、墜落、転倒により直撃を受ける。
介達外力による損傷

大部分の関節損傷が該当

損傷関節から離れた部位に、外力が作用し発生する。正常な運動方向以外の運動強制や、生理的可動域を超える運動の強制などにより発生

 

関節損傷の分類

外力の働き方による分類

1 正常の関節運動範囲を超える外力が作用
2 異常運動を強制する外力が作用
3 生理的範囲内でも繰り返しの外力が作用
4 直接外力が作用

 

損傷される組織

損傷される組織は…

靭帯、関節包、関節半月、関節円板、関節唇

滑液包、筋、腱

関節構成組織損傷

靭帯,関節包の損傷

 

 

靭帯損傷-概要・発生原因-

概要 靭帯は関節包と一体化しているものがあるため、靭帯損傷時には関節包も同時に損傷している
発生原因 関節に生理的な可動域を超える運動が強制されるか、非生理的な方向へ運動が強制されることにより、関節を支持する靭帯が損傷する。

 

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靭帯の損傷-損傷の程度による分類-

Ⅰ度 靭帯線維の微小損傷 疼痛、腫脹(出血)も少なく、圧痛、機能障害も低く、不安定性は認められない 的確な施術でほとんど治癒
Ⅱ度 靭帯の部分断裂 関節の不安定性(軽度~中等度)や機能障害 損傷を軽視すれば機能障害を残す
Ⅲ度 靭帯の 完全断裂 関節の不安定性は著明、機能障害高度、脱臼にいたることもある。 観血療法の適応

 

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靭帯の損傷-症状-

疼痛

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限局性圧痛

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腫脹

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関節血腫

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靭帯の損傷-合併症・経過と予後-

合併症 関節周囲の筋や腱も損傷、神経や脈管系の損傷
周辺滑液包への炎症の波及
経過と予後

受傷後の初期からの治療において、靭帯が修復するよう適切な対応が必要関節の不安定性を生じさせないことが必要である。

第Ⅲ度の損傷であれは観血療法が行われることが多い

 

関節構成組織損傷

関節軟骨損傷

関節軟骨損傷-発生頻度,発生機序-

発生頻度

基礎的状態(年齢、性別、就業環境など)が要因となることが多い
発生機序 介達外力 関節相互面の衝突、関節相互面の離開による牽引力
直達外力 関節軟骨の一部が直接力を受けやすい状態の場合

 

介達外力

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直達外力

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関節軟骨損傷-分類-

骨損傷を合併しない損傷と、骨損傷を合併している損傷に分類

〇骨損傷

合併なし

関節軟骨に血管分布はなく、神経も乏しい損傷の認識がしにくい

亜急性が多い

急性の場合も靭帯損傷などの影に隠れやすい
合併あり 圧迫骨折、骨軟骨骨折、裂離・剥離骨折などと合併する
圧迫骨折

脛骨近位端関節面の骨折,甲骨関節窩

上腕骨骨頭/小頭,橈骨頭

大腿骨骨頭,大腿骨顆部,距骨,踵骨
骨軟骨骨折

純粋な関節内骨折(軟骨下骨組織を伴って剥離)

好発⇒膝関節,足関節
裂離骨折 靭帯や腱の牽引力で付着部の骨が裂離する

 

関節軟骨損傷-症状-

〇骨損傷

合併なし

疼痛

関節可動域制限

嵌頓症状(locking)

関節水腫
合併あり 関節の著しい疼痛、腫脹(骨髄性出血⇒関節血腫)

 

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関節軟骨損傷-治癒機序-

関節軟骨(硝子軟骨)は血管や神経を欠く為、自己修復能力が著しく乏しい。

軟骨組織層の損傷

損傷部はそのまま残存する

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軟骨下骨に達する損傷

表層:結合組織(線維軟骨)が補填

深層:骨組織で修復

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関節軟骨損傷-後遺症と予後-

後遺症 関節拘縮強直、持続性関節痛、外傷性関節炎、変形性関節症
予後 関節の長期固定は軟骨の障害を促進させる

 

その他関節構成組織の損傷

関節唇

ほとんど介達外力により発生
Ex.脱臼時の上腕骨頭による損傷

予後
関節不安定性に関与
直接、軟骨や骨に損傷を発生させ、関節変形の原因となる
関節半月/円板

発生頻度(多)
膝⇒内・外側半月板
腰椎⇒腰椎椎間板

その他⇒胸鎖関節、顎関節、遠位橈尺関節、脊椎椎体間(椎間板)
滑液包 ・膝関節に多い
神経、血管 継続的に外力が加わらなければ大きな損傷にいたることは少ない

 

参考・引用

文献・書籍

柔道整復学理論編改定第6版

②プロメテウス解剖学アトラス第2版解剖学総論/運動器

③標準整形外科学第13版

柔道整復師 イエロー・ノート 臨床編

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