柔道整復学理論
-国家試験対策-
頭部,顔面
-軟部組織損傷・
顎関節症-

頭部・顔面-軟部組織損傷-

顎関節症

周辺解剖①

〇顎関節症

記号 名称
1 側頭筋
2 咬筋

 

記号 起始 停止 作用
1 側頭鱗

筋突起

(下顎骨)

下顎骨挙上

後方移動
2 頬骨弓

咬筋粗面

(下顎骨)
下顎骨挙上

 

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周辺解剖②

〇顎関節症

記号

名称
1 外側翼突筋
2 内側翼突筋

 

記号 起始 停止 作用
1 側頭下窩 下顎頚 下顎骨前方移動
2 蝶形骨翼突窩 下顎骨の内面 下顎骨挙上

 

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顎関節の解剖と機能

〇顎関節症

記号 名称
1 外側翼突筋
2 関節円板
3 関節包

 

〇側頭骨の下顎窩と下顎骨の関節頭の間にある関節

〇顎関節内には、関節円板があり関節腔を上下に二分している

関節円板は、開口閉口運動時に前後移動が大きいので関節円板に関連した疼痛が出現しやすい。

閉口時

下顎頭および関節円板が下顎窩に位置している
能動的開口時 関節円板が前方へ移動、関節の回転運動軸が前方へ移動
2021090606

顎関節症の分類

〇顎関節症

※(日本顎関節学会,2001年,一部改変)-

主病変 病態 主症状
Ⅰ型 咀嚼筋障害

〇筋緊張

〇筋スパズム

〇筋炎

〇腱炎

〇運動痛

〇筋痛

〇開口障害
Ⅱ型

関節包・靱帯障害

(慢性外傷性病変)

〇靱帯損傷

関節包外傷

〇円板挫滅

〇関節捻挫

〇開口障害

〇顎関節疼痛(運動痛)

〇顎関節部圧痛

クレピタス
Ⅲ型

関節円板障害

(顎関節内障・顎内障)

〇円板転位

〇円板変性穿孔

〇線維化

〇クリック

〇クレピタス

〇運動障害

〇運動痛
Ⅳ型

変形性顎関節症

(退行性病変)

〇軟骨破壊

〇骨増殖

〇下顎頭変形

〇円板穿孔

〇顎関節部疼痛

〇疼痛(±)

〇クリック

〇クレピタス

〇運動障害
Ⅴ型 Ⅰ~Ⅳ型に該当しないもの(精神的因子)

〇精神的因子が関与

〇顎関節部違和感
〇咀嚼系器官などの不定愁訴など…

 

発生機序・症状・治療法

〇顎関節症

発生機序

〇不適充填物、咬口異常、過度の咀嚼運動、顎関節運動の不均衡、外傷

〇誘因⇒不良姿勢、精神的ストレス
症状

〇口の開閉時の疼痛、開口制限、咀嚼困難、耳前面に軽度の腫脹・熱感

〇顎関節運動時に弾発現象および異常音、咀嚼筋の緊張・硬結
治療法

〇関節の変形、関節内癒着のあるもの、重症例⇒外科的治療

関節円板の位置異常⇒徒手矯正

〇マウスピース

〇筋緊張や硬結の緩解

 

分類-Detail- Ⅰ型(咀嚼筋の障害)

〇顎関節症

原因

〇心理的ストレスで歯ぎしり、噛みしめなどによる咀嚼筋のスパズムが原因である。

〇その他、咬合異常が原因で筋緊張を起こす場合もある。
治療 咀嚼筋の安静による疼痛対策が主体。咀嚼筋に対する理学療法(低周波治療、マッサージなど)やスプリント(マウスピース)療法、薬物療法が行われる。

 

分類-Detail- Ⅱ型(慢性外傷性病変)

〇顎関節症

原因

捻挫、挫滅などによって、関節包、関節靱帯、関節円板などに損傷が加わって発症

〇二次的に関節線維性癒着などの病態を呈することがある
治療

〇顎関節部の安静を目的にスプリント療法や薬物療法が行われる。

〇線維性癒着の保存療法として癒着部の剥離を目的として強制的開口訓練が行われることがある。

 

分類-Detail- Ⅲ型(顎関節内障):頻度が最も高い

〇顎関節症

原因

〇下顎頭、下顎窩に対する関節円板の位置異常

〇症状は2つに分けられる
a型)相反性クリック:円板の前方転位が複位する
b型)クローズドロック:円板の前方転位が複位しない
治療

関節円板が前方に転位するために、開口閉口時に下顎頭が関節円板の肥厚部を通過する際にクリックが発現する。
閉口時に前方転位した関節円板は、正常な位置に整復される。(a型)

関節円板の前方転位が進行すると、正常な位置に関節円板が整復されない。よって開口時の下顎頭は前方転位した関節円板にロックされ開口が制限される。(b型)

〇症状が進行すると関節円板の後方軟部組織は瘢痕化しクレピタスを生じる。
その後、関節円板の穿孔、断裂などが発症し顎関節症Ⅴ型(変形性顎関節症)を発症する場合がある。
治療 転位した関節円板の整復

 

分類-Detail- Ⅳ型(変形性顎関節症)

〇顎関節症

原因 〇Ⅱ型やⅢ型からの移行が考えられる
治療

関節円板の穿孔や関節軟骨や下顎頭、下顎窩に変性を認める場合がある。

〇単純X線画像により下顎骨の骨頭の退行性変化が確認できる。
治療 〇スプリント療法などによる安静を図るが、効果がなければ観血療法が行われる。

 

分類-Detail- Ⅴ型(Ⅰ~Ⅳ型に該当しないもの)

〇顎関節症

原因 〇精神的因子が関与している場合がある。
治療 〇単独でⅤ型として病変を呈するだけでなく、ほとんどの症例でⅠ~Ⅳ型のいずれかにも該当していることが多い

 

参考・引用

文献・書籍

柔道整復学理論編改定第6版

②プロメテウス解剖学アトラス第2版解剖学総論/運動器

③標準整形外科学第13版

柔道整復師 イエロー・ノート 臨床編

⑤実践柔道整復学シリーズ 柔道整復学総論

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