柔道整復学理論
-国家試験対策-
総論
-腱の損傷1-

腱の構造と機能

腱の構造

腱の構造

1

2
3
4 シャーピー線維
5 コラーゲン線維束
6 腱外周膜

 

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腱鞘のある腱

1

外葉
2 内葉
3 腱間膜
4 血管
5
6 脂肪
7 皮膚
8 指節骨
9 線維鞘
10 滑液鞘

 

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アキレス腱

1

パラテノン
2 腱内組織
3
4 血管
5 脂肪
6 皮膚
7 関節包
8 滑液包

 

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腱の構造

骨格筋は腱に移行し、骨や軟骨に付着する。

筋収縮による張力を骨に伝達する。
密性結合組織よりなる。
腱線維は縦に走る膠原線維(コラーゲン)の束からなり、腱内周膜により腱束に分けられる。
腱束が集まり腱をつくり、腱の表面は腱外周膜に包まれる。
腱の血行:腱間膜、腱内周膜、腱のヒモ、筋肉から腱への血行で分布している。

 

腱の構造と機能

腱の補助装置

滑液包 関節周辺の腱と皮膚・骨・筋との間に存在し、摩擦を軽減する滑液を入れた結合組織性の袋様の構造である

腱鞘

(管状滑液包)
滑膜性腱鞘 滑液包で腱を包むような状態で鞘の中に腱が入る
線維性腱鞘 筋収縮時に腱の浮き上がりを防止する。滑膜性腱鞘の外側にある。
筋滑車

筋または腱の走行で方向転換を行う為の装置の役割を果たす。

靭帯(線維性)の輪や骨でできている
種子骨 腱の中に存在し、腱の骨との摩擦を防いでいる。
支帯

筋腱の浮き上がりを防ぐもの。

屈筋支帯、伸筋支帯などがある。
腱弓 骨と骨の間に張る弓状の腱があり、その下を神経や血管などが通過する。

 

腱損傷の概説

腱の損傷…

断裂 アキレス腱断裂,棘上筋腱断裂
炎症 アキレス腱炎(腱実質炎),ド・ケルバン病(腱鞘炎)

 

アキレス腱断裂

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棘上筋腱断裂

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アキレス腱炎

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ド・ケルバン病

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腱損傷の概説

腱損傷に加わる力

急性 腱に急激に過度の張力、運動による抵抗、又は直達外力が加わり発生する。
亜急性 腱に対する反復または持続する微少な力が加わることで生じる。

 

腱損傷の分類

腱の性状による分類

外傷性腱損傷

〇健常な腱に対し、外力が作用して発生する。

〇腱に加わる力…急性亜急性

その他の腱損傷

〇腱が脆弱なとき:軽微な外力で発生する

〇腱の肥厚

関節リウマチ、結核性または化膿性腱鞘炎により腱が断裂することがある

 

腱損傷の分類

腱損傷の程度による分類

腱損傷の程度により、第Ⅰ度から第Ⅲ度に分類する。

第Ⅰ度 腱線維の断裂なし 腱実質、腱鞘、屈筋・伸筋支帯、滑液包などに軽度の損傷があり、一定の動作や負荷により疼痛、圧痛、腫脹が出現する
第Ⅱ度 腱実質の部分的な損傷がある

損傷部位に陥凹がみられることがある。

損傷腱に対する負荷で、疼痛、腫脹、血腫形成などがみられる
第Ⅲ度 腱が完全断裂している 損傷部の陥凹がみられる。圧痛が著明。早期から皮下出血斑と腫脹がみられる。該当する腱による運動が不能となる

 

腱損傷の分類

腱損傷の部位による分類

腱実質部での損傷

アキレス腱や上腕二頭筋長頭腱の断裂など
骨に摩擦が頻繁な部位での損傷 橈骨茎状突起部と長母指外転筋・短母指伸筋、上腕骨結節間溝と上腕二頭筋長頭腱、峰と棘上筋腱、橈骨背側結節(リスター結節)と長母指伸筋腱など

関節の動きで腱の移動が大きい部位の損傷(靭帯性腱鞘との摩擦)

ばね指(弾発指)など
腱付着部での損傷 手指の終止腱付着部(腱性マレットフィンガー)、アキレス腱踵骨付着部、膝蓋靭帯の脛骨または膝蓋骨付着部など
腱の走行位置に異常を起こす損傷 一般的に腱脱臼と呼ばれるもの。腓骨筋腱脱臼、上腕骨小結節骨折による上腕二頭筋長頭腱脱臼など。

 

アキレス腱断裂

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上腕二頭筋長頭断裂

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橈骨茎状突起

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結節間溝

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20210823029

リスター結節

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バネ指

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マレットフィンガー

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アキレス腱

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膝蓋腱

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腓骨筋腱脱臼

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腱損傷の分類

外力の働いた部位による分類

直達外力

打撲などの鈍性の外力が腱に直接作用したもの。腱実質だけでなく、滑液包やその他の腱周囲の結合組織損傷が合併することが多い。
介達外力

腱に生理的な範囲を超えた伸張する力が加わり、腱実質あるいは腱付着部で損傷する

関節運動で繰り返し腱が骨や支帯に機械的摩擦を受け、損傷したもの

 

腱損傷の分類

外力の働き方による分類

牽引力による損傷 筋の急激な収縮により腱が伸張され発生したもの
圧迫力による損傷 腱に直達外力(打撲など)が作用し発生したもの
反復荷重による損傷 同一姿勢や関節運動の繰り返しにより腱に機械的刺激が作用して発生したもの。

 

腱損傷の症状

腱の損傷程度による違い

疼痛、腫脹、皮下出血斑、機能障害

腱損傷の症状

損傷程度による違い

第Ⅰ度 局所の自発痛、圧痛、腫脹など

第Ⅱ度~

第Ⅲ度
自発痛、圧痛、腫脹とさらに皮下出血斑が著明となり、損傷部位に陥凹が触知される。該当筋による機能障害がみられる。

 

腱断裂では、ときに断裂音を本人が自覚することがある。

腱損傷の治癒機序

〇損傷後2日目以後に腱外膜の線維芽細胞の増殖から始まる

〇線維芽細胞はコラーゲンを産生しながら、腱断端間の間隙を充填する

〇2~3週には腱内膜からの細胞が活性化し、より強い張力を持つ

 

※アキレス腱ではパラテノンとよばれる腱傍組織があり、そこから血行などが修復に関与する。

参考・引用

文献・書籍

柔道整復学理論編改定第6版

②プロメテウス解剖学アトラス第2版解剖学総論/運動器

③標準整形外科学第13版

柔道整復師 イエロー・ノート 臨床編

⑤実践柔道整復学シリーズ 柔道整復学総論

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