柔道整復学理論
-国家試験対策-
総論
-軟部組織の初期処置・固定法1-

軟部組織の初期処置

RICE処置

頭文字 正式名称 説明
英語 日本語
R Rest 安静 局所を固定し、痛みを抑え、治りを早くする
I Icing 冷却 痛みを和らげる
C Compression 圧迫 たくさんの出血を抑え、治りを早くする
E Elevation 挙上 心臓より怪我している場所を高くして、痛みを抑え、治りを早くする

 

軟部組織の初期処置

捻挫、筋損傷、腱損傷の初期処置

初期処置の要点

(共通)

RICE(安静、冷却、圧迫、挙上)を原則とする
ex.関節の安定固定、冷湿布、消炎の促進、患部の高挙

損傷程度を判断した上で、固定の必要性や材料を決定する

一定期間固定し、当該関節の使用制限や禁止(免荷)を行う

受療者に、時には骨折などにより予後に問題を残すことを理解させる
筋損傷 筋内損傷では腫脹と筋機能回復の経過を中心とした関節が重要
→腫脹の状態、出血の状態、筋機能回復の状態
最も注意しなければいけないのはコンパートメント症候群
腱損傷 炎症が消退していれば、損傷程度を考慮し適宜治療方法を選択

 

軟部組織の初期処置

血管損傷と初期治療

血管の損傷

性状による分類→外傷性血管損傷、その他の出血病変

創部との交通の有無→皮下(閉塞性)血管損傷、開放性血管損傷
損傷の症状

出血→外出血、内出血、皮下の出血斑、変色、血腫など

阻血症状→5P徴候

全身症状→血圧低下、脈拍数増加、冷汗、尿量減少、呼吸数増加
四肢血管損傷の初期処置

RICEを原則とする

5Pに万全の注意を払い、損傷度により固定の必要性や材料を決める→早期に筋膜切開などの手術が必要な場合もある

 

軟部組織の初期処置

皮膚損傷と治療

皮膚の損傷

機械的損傷、非機械的損傷(熱傷・凍傷・放射線・電気)

創傷=損傷に伴う組織の離断あるいは欠損(切創・刺創・挫創etc)
擦過傷処置 傷面に付着物→洗浄,傷面が大きい→滅菌ガーゼを当てる
切創傷の処置

出血→止血、傷口汚れ→洗浄、傷口小→滅菌ガーゼと被覆包帯

傷口大→滅菌ガーゼを厚く当て被覆包帯を施し緊急転医搬送
刺傷 化膿する危険性高い破傷風やガス壊疽になる危険もある
創傷の治癒機序

表皮までは再生により行われる

損傷組織の治癒過程3相:炎症性反応相→線維増殖相→成熟相

 

固定法

固定とは・目的・種類

固定とは

外傷治癒のため、一定期間患部をある肢位に保持し運動を制限する

固定の

目的

骨折脱臼などの整復位保持再転位の防止

②患部の可動域を制限し良好な治癒環境の確保(ex.骨癒合の促進)

患部の安静保持

変形の防止と矯正 etc…

固定の種類

内固定 観血療法の際に骨や関節部を直接プレートや鋼線などで固定する
外固定 皮膚より間接的に骨や関節を固定する(材料に包帯や絆創膏も含む)

 

固定法

固定の肢位

固定の肢位

理想的な肢位は機能的肢位(良肢位)
ex.捻挫では受傷時の肢位と逆方向に固定

筋損傷の固定:損傷部を密着させるような固定が必要なため、伸展位で固定はしてはいけない
関節 外転60-80°,水平屈曲30°,外旋20°(手が顔に届く角度) 股関節 屈曲15-30°,外転0-10°,外旋0-10°
肘関節 直角屈曲位 手指 テニスボールを握った肢位
前腕 回内・回外中間位 膝関節 屈曲10°
手関節 伸展(背屈)10-20° 足関節 背屈・底屈0°

 

固定法

固定期間・範囲

固定期間

固定にあたり必要にして最低の期間とする

損傷の程度、年齢、健康状態による

骨折ではGurltの骨癒合日数などを参考とするが、さまざまな条件により変わる
①中手骨 2w ⑥上腕骨骨幹部 6w
②肋骨 3w ⑦脛骨 7w
③鎖骨 4w ⑧下腿両骨 8w
④前腕骨(橈骨・尺骨) 5w ⑨大腿骨骨幹部 8w
⑤腓骨 5w ⑩大腿骨頸部 12w
固定範囲

原則として最低限の関節固定を行い、必要以上に固定しない

骨折の固定上下各1関節を含めた範囲を固定し完全に安静にする

 

固定法

固定材料

硬性材料

〇金属副子:クラーメル副子

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〇金属副子:アルミ副子

アルミスプリント

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〇副木

柔軟な木(ヤナギ科の木)を主材とする。Ex.呉氏副木、スダレ副木

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〇合成樹脂副子

 

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〇厚紙副子

 

一般に馬糞紙と呼ばれるボール紙を使用する

肋骨骨折胸郭固定、捻挫挫傷などの固定に多用する

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〇ギプス

石膏を包帯にすり込ませた物

温湯(37°前後)に浸し、患部の固定に用いる

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軟性材料

〇巻軸帯

いわゆる包帯で、軟性材料の代表にして固定の主材料

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〇三角巾

通常90-100cm幅の正方形の布を対角線に切った三角形の巾

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〇絆創膏(テーピング)

紙や布状のものに粘着性物質を付着させたもの(伸縮性と非伸縮性)

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〇ガーゼ

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〇綿花

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〇サポーター

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〇その他

弾性(伸縮)包帯,網包帯(円筒帯),腹帯,T字帯,紙包帯

 

※弾性(伸縮)包帯:受傷2日後までは禁忌

固定法

固定の材料-装具-

医療用装具 治療が完了する前に使用する
更生用装具 治療が終わり、変形または機能障害が固定した後に使用する
装具の使用目的 関節運動制限もしくは免荷による疼痛緩和
弱化・疼痛性・治療過程にある骨格筋系の固定と保護
軸方向での負荷の軽減
変形の予防と矯正
機能改善

 

参考・引用

文献・書籍

柔道整復学理論編改定第6版

②プロメテウス解剖学アトラス第2版解剖学総論/運動器

③標準整形外科学第13版

柔道整復師 イエロー・ノート 臨床編

⑤実践柔道整復学シリーズ 柔道整復学総論

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